メタボリックシンドロームについて

メタボリックシンドロームとは、内蔵に脂肪がたまってしまうことで、肥満症や糖尿病、高血圧、高脂血症などというような生活習慣病が起こりやすくなっている状態のことをいうのです。重なって発生しやすいのがこれらの病気の特徴で、また病気が重なるにつれ、動脈硬化へとつながりやすくなっています。脳卒中、がん、心臓病、これらが日本人の三大死因になっています。動脈硬化こそが、この心臓病と脳卒中という病気に共通する循環器病の原因となっています。メタボリックシンドロームを予防すると、そんな生活習慣病までも予防することにつながるのです。メタボリックシンドロームの基準には、2005年に日本肥満学会からまず男性は腹囲85cm以上、女性は腹囲90cm以上と発表されました。それに加え、血圧130/85mmHg以上、中性脂肪150mg/dL以上またはHDLc40mg/dL未満、血糖110mg/dL以上、という基準が含まれるのです。しかしながらその基準値は、日本とWHO、またアメリカとでもそれぞれ違っているのです。しかも本質をついた内容であるとはいいきれないため、予防法も様々です。糖尿病、心筋梗塞、脳卒中は、メタボリックシンドロームに陥った人がかかりやすい病気ですが、それらはまさに医療費の約30%を占めているのです。この事実で将来に強い不安を覚えた厚生省は、それを予防するために、生活習慣病患者といずれ生活習慣病にかかりそうな人を2015年までに25%減らす目標を立ち上げました。メタボリックシンドロームは、そういうわけで保健指導を行って予防しなければならないということになったのです。